明治5年(1872年)創業、宮城県亘理町で140年以上続く老舗旅館『中正旅館』の6代目である菊池正彦さん。夫婦二人三脚で30年近く旅館を営んでおり『美味い素材をよりうまく』をモットーに、素材そのものの味を生かした魚介料理を作り続けています。 3人兄弟の末っ子長男として生まれた菊池さん。小さな頃から家業を継ぐことを考えており、調理師の資格を取得後は東京で料理の修行をつんできました。『どちらかというと人当たりが良く営業が得意だった父と異なり、自分はずっと調理場に立つという役割でしたかね』そう明るく話す菊池さん。料理目当てで中正旅館に訪れるお客さんもいるんだとか。天然物にこだわった魚介料理はもちろん、予め要望を伝えてくれればリクエストにはできる限り応えてくれます。
『ちょっと練習に付き合ってくれ』修行時代には、先輩に言われるがまま、フグをさばく練習をしてきました。冬の旬な時期に中正旅館で美味しいフグを食べることができるのも、そのときの修行の賜物です。 『海外のゲストさんにもぜひ来ていただきたい』つい先日、ベジタリアンの方が宿泊した際には、菊池さんが自信を持って作っている魚介系料理が提供できず、非常に悩んでしまいました。それでもなんとか日本の料理を楽しんでほしい。そんな思いから閃いたのが『野菜の天ぷら』。旬の野菜をふんだんに使いながら『美味い素材をよりうまく』のモットーを貫きました。ゲストの方も揚げたての日本の美味しさを堪能することができ、大満足で帰国することができました。
2011年3月11日以降は、東日本大震災の復興工事のため、業者の皆さんが長期で滞在することが多かったのですが、それもようやく落ち着いてきました。『何もないところだけれど、ゆっくり過ごして美味しいものを食べるには最高の場所だと思っています。昔のように個人のお客さんにもたくさん泊まってもらって、料理を食べて帰ってほしいですね』そんな力強い言葉が印象的でした。 中正旅館の歴史はこれからも続いていきます。
施設紹介
立派な松がお出迎えをしてくれる『中正旅館』。旅館は創業145年になりますが、新館が建ったのは今から約40年前。部屋数は別館も合わせて47室。最大60名ほど宿泊可能です。
ゆったりとした和室。畳の上に川の字で寝る、そんな日本ならではの文化を海外から宿泊されるゲストの皆さんにはぜひ堪能していただきたい。
ご当地グルメの『はらこ飯』。鮭といくらの炊き込みご飯。いくらの中でも若いものを「はらこ」というのだとか。味の違いはぜひ現地で確認してみてください。 9月~11月限定で堪能することができる。(事前予約制)
一人でゆっくりと宿泊したい。そんな希望にも応えるために洋室も完備。白を基調とした落ち着きある部屋にシックな色合いの家具が置かれており、誰にとっても居心地の良い空間となっています。
交流民泊
プロが教える包丁の研ぎ方
菊池さんは魚をさばき続けて30年。その道のプロに『包丁の研ぎ方』を教えてもらいながら交流をしてみてはいかがでしょうか。ご自身が大事にされている包丁を持っていっていけば、中正旅館で切れ味を蘇らせることができるかもしれません。包丁の研ぎ方のコツを丁寧に教えてくれますよ。
一般人は入れない『魚のせり』同行
車で15分程度の距離にある荒浜市場で天然物の魚介を仕入れている菊池さん。 以前、東北大学の留学生からの要望を受けて、せりに連れていったこともあるんだそう。見ていても何がなんだかわからないかもしれませんが、一般人が入ることのできない場所に同行させていただけるチャンスはなかなかありません。 「前日の漁の状況次第ですが、前日が底引きなら朝7時から、定置網なら8時頃から競りが行われます。」早起きが得意なあなたはぜひ、せりを通じた交流をしてみましょう。
プロと一緒に料理をつくる
笑顔が素敵な菊池さんと一緒に料理をつくりながら交流をするはいかがでしょうか。一緒に作れる料理は限られてしまうかもしれませんが、あなたの作りたい料理をイチから教えてくれるかもしれませんよ。
菊池さんからのメッセージ
料理のリクエストにはできるかぎりお応えします。天然物にこだわった魚介系料理が中正旅館で一番のおすすめではありますが、和洋中なんでもお作りしますので事前にお知らせください。美味しい料理を食べながら、ゆっくりと過ごしに来ていただけたら嬉しいです。
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